理想の夫婦|母が亡き父に宛てた最後の手紙、そして両親から教わったこと

目次

先日、なにげない会話のなかで、母が笑いながら話してくれた事があります。


3年前の父の葬儀のときに、母が棺の中に入れた父への最後の手紙。


それは「子供達が全員良い子に育ってくれたよ、ありがとう」と書いたそうです。


それを聞いた私は思わす涙があふれ、「ありがとう」の言葉しか出ませんでした。


両親は共に貧しく苦労してきた人達です。


だけど子供を大切にし、人として正しい道を歩もうと、何事にも一生懸命でした。


貧しくても礼節を重んじ、道理をわきまえ、品格のある二人。


どちらの家系も武士であり氏子総代だったせいかもしれません。


志というのでしょうか。


『武士道』と『信仰心』がふつうにありました。


父からは、「筋道を通すことが大事」とか「40歳になったら自分の顔に責任を持たんなんよ」など、幼い頃からいつも話してくれました。


(因みに「40歳の…」は「怒ってばかりいると眉間にシワができるし、文句ばっかり言ってると口がとんがるよ」という意味です)


家系図をいつも楽しそうに書いてくれて、『家と家族(ご先祖様を含めて)』を大切にする人でした。



そして母の方は、一般的に「バチが当たる」とか「神様に恥じないように」とかよく聞く言葉を、おこないや生き方を通して示してくれています。


人を悪く見ることはなく、というより、そもそも利己的な発想がないのです。


手を抜かずに頑張り、人を立て、そして謙虚。


だから多くの方から慕われています。


話は戻りますが、父と母はいつも協力しあって、互いに補い合って生きていました。

もちろん感情的になって言い争ったりもしました。


父はバツが悪いときはだんまりになるし、母は負けるとよく泣いていました。


ですが今思うと、二人とも私利私欲で言い争うことは無かったのです。


正しい道に進むためにいつも議論していたのです。


ただ、それが何なのかがわからず、右往左往していただけなのでしょう。




その結果ということになるのでしょうか。


父はホスピスで過ごした最後の3週間、謝ってばかりいました。


まるで懺悔のように。


穏やかなきれいな顔をして逝ったので、きっと神様に許されたのでしょう。




母は葬儀社の方のアドバイスで手紙を書いて棺に入れていました。


夫婦間の手紙なので、あえて内容は聞きませんでした。


だから数日前に、思いもしなかった内容を聞いてびっくり。。。


子供達が全員良い子に育ってくれたとの父への感謝の気持ち。


妻が夫へ書いた最後の手紙が『子供達についてのありがとう』


そして葬儀のあとも、今でも夫の親戚を大切にする姿勢は、一女性として尊敬します。


人としての生き方に信念を持ち、そしてまさに理想の夫婦です。


カウンセリングや講座のときに理想の夫婦像や生き方について話があがるときがありますが、まさにお手本の二人です。


両親から人生を通して大切なことを教わりました。


この親に生まれてきて心から好かった。


感謝に堪えません。


※昨年、義父が亡くなってから記事が書けなくなっていましたが、母の話を聞いたら書けるようになりました。
母の力は偉大です。

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