『しつけ』を理由に、感情のままに『怒る』人がたくさんいます。
昔の私もそうでしたが、怒ると思いは相手の心に届きません。
相手が我が子であっても、
教え子であっても、
部下であっても、
同じことがいえます。
『怒る』は自分のためであり、自分の感情を抑えることができていない状態です。
『叱る』は相手のためであり、感情を抑えながら相手のペースに合わせて教えている状態です。
私達は腹が立つと怒ります。
自分の思い通りにならないときに怒ります。
自分の考えを認めさせたいときに怒ります。
そして自分がえらいと思っているときも怒ります。
つまり「自分のプライドを傷つけられたから」といって怒ります。
また、怒る人は「相手が悪い」といいます。
自分のおごりや不足を人のせいにします。
そして、怒るということは感情的になっているので、うっかり手を出すと『体罰』や『暴力』になってしまいます。
叱ることは感情を抑えないとできません。
叱ることはむやみに叩いたり殴ったりしません。
もし、叩くのであれば、手のひらで軽くパン!と一度だけ。
それは『目を覚ますための体罰』なので、痛くはありません。
叱る目的は『相手に理解してもらう』ためです。
ゆっくり、落ち着いて、静かな声でわかりやすく。
叱る側は疲れます。
それは相手に気を使っているから。
感情的に怒って
「わかった!?返事は!?」
「ごめんなさいは!?」
などと強要しても意味がありません。
無理やり言わされた返事には心が伴っていません。
時がたてば忘れて、また同じことをします。

ところが冷静に叱ると
そのうち頭に残っていたお母さんの言葉が心に響き、気持ちが変わってふに落ちるものです。
そうなるともう同じことをしません。
強要しなくても「ごめんなさい」を言ってきます。
そのためにはひとりで考える時間が必要です。
それが『相手のペース』です。
――ではどうすればうまく叱れるのでしょう??
まず感情的になって腹が立っているときはクドクドと喋らないことです。
その場は止めさせることだけを考えるといいです。
そして2・3日後に、お互いに落ち着いているときに
「ねえねえ、先日の話だけど…」
と話してみてください。
「お母さんはこう思うんだけど、あなたはどう思う?」
と。
話し合いが1回でスッキリしなければ
「そうかなぁ?もうちょっとゆっくり考えてみよう」
と終わらせて、また次の機会に
「ねえねえ、やっぱさぁ~」
と話してみてください。
スッキリするように根気よく。